09/06 08:42 ウィークリーレポート
今週の経済指標発表予定
米国:ベージュブック(地区連銀経済報告)、貿易収支―7月、新規失業保険申請件数
EU:貿易収支―7月、ECB月報―9月
英国:鉱工業生産―7月、貿易収支―7月、政策金利の発表
カナダ:政策金利の発表、Ivey購買部協会指数―8月、住宅着工件数―8月、新築住宅販売件数―8月、雇用ネット変化率―8月、失業率―8月
オーストラリア:政策金利の発表、雇用者数変化―8月、失業率―8月
日本:政策金利の発表(白川日銀総裁の記者会見発表予定)、景気先行CI指数―7月(速報値)、景気一致CI指数―7月(速報値)、機械受注―7月、実質GDP-2Q(確報値)
先週は、FOMC議事録やS&Pケースシラー住宅価格、雇用統計など米 経済指標が目白押しであった。FOMC議事録では「労働市場は予想よりも弱い」「MBSに対する再投資、将来的に必要となる可能性」「必要なら追加緩和策を計画すべきである」など、米国が金融緩和策を強める方向性や労働市場の弱さを引き続き示唆したことから、ドルは軟調な動きを強いられた。また、注目された米 雇用統計の発表は、失業率―9月は9.6%(事前予想:9.6%)と事前予想と同じであったが、非農業部門雇用者数―9月は5万4千人の減少(事前予想:10万5千人の減少)と事前予想よりもよかったことでドル/円は85円台を回復する場面をみせた。しかし、月曜日は米国がレーバーデーで休場となることもあり、ポジション調整の動きもみられ、85円割れとなっていた。今週は米国で貿易収支、ベージュブックの発表があり、英国、カナダ、オーストラリア、日本では政策金利の発表を控えている。米国は利上げが難しい状況であるが、他国の景気回復見通し次第ではドルが軟調な動きとなる可能性もある。ベージュブックの内容がFOMC議事録の内容を踏襲するものとなるかどうか、注視されるだろう。先週発表されたS&Pケースシラー住宅価格が持ち直したのは、住宅購入者に対する優遇税による効果があったとの見方が強く、FRB(米連邦準備制度理事会)がMBSの買取を再び検討していることもあり、引き続き住宅市場の動向に関心が集まりそうだ。また、一部では、米国の破産申請件数が増加しているとの話もある。破産申請の主要因は失業や医療費、住宅市場悪化による住宅の差し押さえとも言われており、2010年第二四半期の破産件数は42万件で前期比9%の増加となっている(2005年の破産法改正以来、過去最高。)。住宅市場の回復が遅れることや雇用情勢の悪化が続けば、破産申請件数の増加は免れることはできず、11月2日に予定されている中間選挙で民主党政権やオバマ大統領に米 経済に対する不満の声が大きくなることも予測されるだろう。個人消費の減速や雇用悪化、住宅市場の減速などが各地区でどの程度進んでいるのか、状況次第では追加で金融緩和策や景気刺激策などを行う可能性があるかどうかにも注目が集まりそうである。一方、日本では株安や円高が「急激」に進行していることや今後の景気・雇用動向を踏まえ、必要な場合には補正予算の編成含めて機動的・弾力的に対応する方針を示しており、9月10日の経済対策に注目が集まっている。8月30日に発表された経済対策の基本方針では、円高などによる景気下振れリスクに機動的に対応し、早期のデフレ脱却実現の基盤作りを行うため、即効性ある取り組みを行うことを目的とし、為替動向については「過度な変動は経済・金融の安定に悪影響を及ぼす」と警戒感を示したうえで、「引き続き注視していくとともに、必要なときには断固たる措置をとる」と表明した。具体策については、(1)円高や海外経済などの景気下振れリスクへの対応、(2)「雇用」、「投資」、「消費」、「地域の防災対策」、「規制・制度改革」の5分野を対策の柱とする。各国が景気対策や金融緩和策を推し進めるなかで、米国の今後の対応にも注意深く見ていきたい。
雀聖哲也